ら - - - 来年も、その会話を
「さすがに、もう衣替えしないとね」
と、
少し遅い衣替えを始め、
半年振りに再会する秋冬物の洋服を見て、
「あれ、こんな服持ってたっけ」
と、言う。

箪笥に収まりきらない洋服を見て、
「うーん・・・」 と 唸る。


その 全ての工程が、毎年の恒例行事。

毎年行っている 当たり前のこと を、
毎年 当たり前のように行える 幸せ、ありがたさ。


次の衣替えの時期も、
当たり前のように、
「さすがに、もう衣替えしないとね」
と、言えるように と 願いながら、
春夏服に、
しばしの お別れを告げる。
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thema:自作詩 - genre:小説・文学


な - - - 涙は、戻る
「心の汗」 と、表現される 「涙」。

流れる汗を 自分の意識で止めることは、できない。
それならば、
涙 も 無理に止めようとしなくても、いいじゃない。


涙 は、流すものであって、
堪えるものでは、ない ハズ。

ココロから溢れて その目から流れる涙は、
自然で とても、美しい。


オトナだから だとか、
オトコだから だとか、
オンナの涙は云々 だとか、
そういう理由で 堪えなくても、いいじゃない。


流した 「涙」 は、
「海」 に 「戻」 る。
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thema:自作詩 - genre:小説・文学


ね - - - ネジ回しで逆回し
疲れているときに限って、
「いやいや 頑張らなければ」と、
自分で自分を叱咤し、
ココロ と カラダの ネジを ぐぐぐ と締める。
もう これ以上回らないぞ、と いうほどに。


頑張ること、は 大切だけれど、
強く締まりすぎたネジ は、
本当に疲れて、
疲れきったときに、
自分のチカラでは 緩めることが 出来なくなる。


一日一回、
三日に一回、
一週間に一回 でもいいから、
すこし、
ネジを 緩めてあげる。


一生を共にする じぶんの身体 だから。
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thema:自作詩 - genre:小説・文学


つ - - - つらさ計
人それぞれ、平熱が異なるように。

35度6分が 平熱の人や、
36度5分が 平熱の人。

よく風邪をひいて よく熱を出す人や、
なぜだか 微熱が、なかなか下がらない人。


体温は、体温計で数字が表示されるけれど、
ココロのつらさは、どうだろう。


誰もがカラダの中に つらさ計 を、持っていて、
その目盛りは、
人それぞれ 異なる。

「そんな ちっちゃなことで落ち込んで」
そう言われても、
わたしには わたしの目盛りがあるんだから。
あなたの目盛りとは 微妙に異なるんだから。


その日 その時で、微妙に変化する体温。
それと同じように考えても いいじゃない。
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thema:自作詩 - genre:小説・文学


そ - - - ソコは、ドコですか
落ち込む。

嗚呼、どん底だ と、思う。


視線を 左に置くと、
そこには 小さな熊手が ころり。

カリカリと、掘る。
イジイジと、掘る。
底を、掘る。

掘り続けて 何日経っただろう。
もう 疲れたな。

そう思ったとき、何かが カチッと 熊手に当たった。

いつの日か、
胸の奥にしまった 大切な想い出だ。
ごめんね、忘れかけてたよ。


底 と 空は、繋がっている。
一周まわって ぐるりと 元通り。


底は、行き止まりでは、ない。
空へ繋がる 想いが 深い 場所。
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thema:自作詩 - genre:小説・文学


れ - - - 連絡先は、あのビル3F
雑踏を抜けて、
狭い空が広がる場所に建っている あのビルの3Fに、
あの人は、居る。

住んでいる所や、電話番号。
そんな 連絡先は、知らない。
名前も 苗字しか、知らない。
ただ、そこに行けば 彼女は、居る。


十代のわたしが 彼女に教えてもらったことは、
お酒やタバコなんかではなく、
ラッシーの味。
それと、
人の話をきちんと聞く、ということ。


何かあっても、そこへ行けば 彼女が居る。
わたしの話を 聞いてくれる人が 居る。

連絡先なんて知らなくても、
「そこに居る」
それが分かっているだけで、
十代のわたしは、
なんとなく、毎日 安心していた。


きっと 今も、
あの 気持ちの良い声で 迎えてくれる。
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thema:自作詩 - genre:小説・文学


た - - - たった一言の行方
「大丈夫?」 と 「大丈夫。」
は、
同じコトバでも、届く場所が 違う。
ココロの 不安部屋 と 安心部屋。


「大丈夫?」と 聞かれると、
人は 「大丈夫」と、答える。
大丈夫 じゃなくても、
口から出る言葉は 「ダイジョウブ」。

「大丈夫。」という言葉を貰うと、
大丈夫 じゃなくても、
少し 大丈夫なような気分に、なる。
カラダが 少し 軽くなる。


「大丈夫。」というコトバに、
根拠なんて なくて、いい。


自分にも、
隣の誰かにも、
遠く離れたあの人にも、
真正面から、「大丈夫。」を 贈る。
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thema:自作詩 - genre:小説・文学


よ - - - 余所行きの裏側
ふと思い付き、
イイ女を気取って 歩いてみる。

背筋を スッ と伸ばして、
軽く顎を引いて、
一歩一歩を なめらかに 歩くイメージ。
イメージの中では、
股下84センチ。
ジーンズの裾なんて 切らなくてもいい。
なんなら、足りないくらい。


そんな 余所行きの表情で、
カツカツ歩いていると、
何もないところで つんのめる。
それは それは、お見事に。

これが、現実だ。
「鈍臭い」が わたしの特技だ。


たまに違う自分を演じてみると、
改めて 等身大の自分に出逢える。


背伸びすると、
爪先が 痺れるだけ。
その夜、足が浮腫むだけ。
次の日、ココロに違和感を感じるだけ。
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thema:自作詩 - genre:小説・文学


か - - - かくさない、けど
ココロの扉、は 何枚あるのだろう。


自分のことを 隠さずに、話す。

隠しても どうにもならない、と 思う。

悪い部分も、
善い部分も、
全て じんわり、透き通ってしまう。
見える人には 見えてしまう。


ただし、
あの人にも この人にも話すわけでは、ない。


まずは、
診察をする感じで、ひとつ 咳 を、コホン。

雰囲気を じっくり、観察。
脳内に、メモ。
お腹に 黒いものを持っていないか、どうか。
内臓を、チェック。

診断結果は、わたしだけが 知る。


ココロを開く、とは そういうことだと思う。
誰にでも 簡単にココロを開くと、
なんだか もったいない。


ココロには 幾つもの扉があり、
その扉を何枚開くかは、
わたしではなく、相手のココロにかかっている。
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わ - - - わたしは背負って生きてゆく
ツライことは、背負う。
抱えることは、しない。


大切なものを掴むため、
両手は開けておかねば ならない。

背負いすぎて、
背中の羽が パキ と折れることがあるかもしれない。

その羽は 心配しなくても、
また めきめきと音を立てて 再生する。


両手いっぱいに抱えていると、
大切なものが すぐそこに浮かんでいても、
ほら、
その目の前に浮かんでいても、
見ているだけで 掴めない。

自分の荷物だけで手一杯なのは、
寂しくないですか?


だから、わたしは背負う。

あなたも 両手を開けてみませんか?
posted by ひより
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