ぬ - - - 抜かして、いいよ
ハタチのとき、わたしは 止まった。
やむを得ず 止まった。

まわりのヒトたちは ずんずん 進む。
わたしは 止まったまま。
機嫌を損ねた信号は、
赤信号 から 青信号 に、変わらない。


そのときに流した悔し泪は、
数年後に 百八十度、方向を変える。


どうぞ、わたしを 追い抜かして。
わたしは 二歩、後ろを歩くから。

誰かが倒れそうになったとき、
たたっ と駆けてゆき、
ふわっ と支えるために、
わたしは 二歩、後ろを歩く。
二歩ぐらいなら 走れるから。

わたしが倒れそうになったとき、
誰かが 前から 手を差し伸べてくれる。
そう、信じて 歩くから。


だから、
わたしを 追い抜かして、いいよ。
posted by ひより
category:いろは綴り 壱巡目   comment:0 trackback:0

thema:自作詩 - genre:小説・文学


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