さ - - - 騒がしき静寂
ひとりひとりが それぞれの目的を持って、
ひとりひとりが それぞれの苦労を背負って、
ひとりひとりが 生きている。


それなのに、
どうして みんな 同じ顔に見えるのだろう。


わさわさ唸る地下街。
右に 左に 揺れる人波。

自分ひとり ピタリと止まってみると、
目の前に広がる光景は、まるで 工場。

ウィンとベルトコンベアー。
次から次へと 流れゆく 人。

唸っていたはずの地下街が、
一瞬にして 無音に。


これが 都会 か。
これが 疲れのカタマリ か。


疲れの抜け道が 一本でも多くなりますように。

あなたの笑顔が ひとつでも多くなりますように。
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thema:自作詩 - genre:小説・文学


あ - - - 雨シラセ
チロチロ降る中、
ザバザバ降る中、
想う。


あのひと、調子はどうかしら?
あのひと、ご機嫌いかがかしら?
あのひと、ちゃんと眠れてるかしら?


もわわん、と。
浮かぶは、ココロの友の顔。

相手も きっと 同じように、
わたしの顔を もわわん、と。


ココロの距離は キロメートルじゃ測れないのだよ。


雨は、大切な想いを知らせに やってくる。
もわわん、と やってくる。


ワイゼンボーンの音色の雨、
降らせて おくれ。
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thema:自作詩 - genre:小説・文学


て - - - 手が届いた八角形
大金なんて持っていないのに、
かしこまって新幹線。

車内販売は高いから、
1つのジャムパン半分こ。

慣れない標準語の波に飲まれ、
いつの間にか 自分たちも 「なんとかジャン」。

エスカレーターで、
深く深く深く潜り、
一体ココはドコなんだ、と 日本を疑う。

エスカレーターで、
グングングンと上昇し、
なんだか すでに疲れたね、と アノ娘と話す。


少し歩くと、
目の前に 八角形のあの館が。


柄にもなく 涙が出そうだね。

数年間の想いが クルクルと、よみがえる。

うそじゃなかった。
ほんとに ここに 手が届いたね。


さぁ、
今日も ひとつ 気合を入れましょうか。
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thema:自作詩 - genre:小説・文学


え - - - エレキテル
家の中。
陽気なCMがスルスル流れる そのテレビ。

外に出て。
青黄赤がクルクル回る その信号機。

夜の街。
昼より明るくギラギラ光る そのネオン。


あちらも こちらも エレキテル。
増殖しすぎて 右往左往の エレキテル。


自分のキモチだけは アコースティックに。
せめて、その範囲くらいは。


あの電磁波に 惑わされないように。
この電磁波に 呆れられないように。
その電磁波に 笑われないように。
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thema:自作詩 - genre:小説・文学


こ - - - こどものように
どんな夢を、描いてた?
どんな大人になると、思ってた?

ケーキ屋さん。
お花屋さん。
幼稚園の先生。

プロ野球選手。
電車の運転手さん。
お巡りさん。

なれるか、なれないか、なんて 問題じゃなかった。
キャッキャと想像してみるのが 楽しかった。


おとなになっても、
叶うか、叶わないか、なんて 問題にせず、
大きな夢を、
自分が思う一番大きな夢を 持ち続けるんだよ。
「目標」 とは別に、 「夢」 を持ち続けるんだよ。

そう言ってくれた人が、いた。


届くか、届かないか、ワカラナイ。

でも わたしは、
毎日、夢に向かって 両手を そっと、伸ばすんだ。

疲れすぎないように そっと、伸ばすんだ。
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thema:自作詩 - genre:小説・文学


ふ - - - 不可思議なカンケイ
初めて あなたを見かけたのは、
まだ 充分に夏の匂いの残る秋。

あなたは、滑稽な格好を していた。


初めて あなたと話したのは、
もう 立派に肌寒さが微笑む秋。

あなたは、その時すでに 優しかった。


わたしは あなたを、ずっと 追うのだろう。

隣に並ぶことに 興味を示さず、
あなたの うしろ姿を 追うのだろう。

あなたは わたしを、ずっと 手招くのだろう。


そのカンケイは、
きっと ずっと 変わらないものなのだろう。
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thema:自作詩 - genre:小説・文学


け - - - けんけんぱ
よく 遊んだ、ね。
公園。
家の前の道。

「けんけんぱ」で 遊んだ、ね。


おとなと呼ばれる齢になると、
仕事が忙しいから だとか、
まだ若いから大丈夫だよ だとか、
生温いこと言ってられないよ だとか、
そういう理由をズンズン重ねて、
ずっと ずっと 「けんけん」 で進もうとしてしまう。

ずっと 片足だけじゃ 疲れちゃう、よ。

右足がダメなら左足で行けばいいし。
そしたら次は、また右足で行けるし。
大丈夫、大丈夫、あはははは・・・・・はは・・・。

そうやって、無理を重ねてしまう。


身体は 「ぱ」 と、地面に両足が付くときを 待っている。


ほんの少しの時間でも、いい。
意識して、両足を付けてあげないと。
自分の身体を、守ってあげないと。


「けんけんぱ」のリズムで 楽しく進めば、
今より もっと上手く、前に進めるかもしれない。
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thema:自作詩 - genre:小説・文学


ま - - - 巻き戻し
テラテラと楽しかった あの頃へ。
ヒラヒラと輝いていた あの頃へ。


いくら願っても、人生は 巻き戻せない。

ボタン一押しで キュルキュルとは 巻き戻らない。


今がツライなら、
無理に 楽しまなくても、いい。
無理に 笑わなくても、いい。

人生は、常に 再生されている。

いつか 楽しめるときが来るから。
自然と 楽しめるときが。


巻き戻し機能 も、
早送り機能 も、付いていない。
再生機能 のみ。

それは、みんなの共通点。


あなたの人生 も、
わたしの人生 も、
巻き戻しはできないけれど、
常に再生されている。


躓いても、
いつでも 再生できる。
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thema:自作詩 - genre:小説・文学


や - - - 矢印なんて
宙から見れば、小さな迷路。
自分にとっては、大きな迷路。


「→」  右に 曲がって。
「↑」  真っ直ぐ 進んで。
「←」  あ、次は、左に 曲がって。


そんな 親切な矢印は、人生には、ないよ。


矢印があれば、
迷うことは ないだろう。
壁にぶつかることも ないだろう。

その代わり、
人として、成長することも ないだろう。


壁を乗り越える のか、
壁を突き破る のか、
違う道を探す のか。


そういう方法を考えながら、
人は、
みしみしと、成長していくのだろう。
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thema:自作詩 - genre:小説・文学


く - - - 雲と流れる
秋は 気分が、しんみりする。
特に 何もなくても しんみり、と。
きっと 空気の温度が、そうさせる。


外に出て、
2、3時間 ただただ 雲を眺める。

青空 と 雲 のバランスが、絶妙。

このバランスを、待っていた。


何をするわけでもなく、
流れる雲を ただただ 眺める。

もやもやした感情  一緒に、流れる。
いろいろある悩み  一緒に、流れる。
うじうじする自分  一緒に、流れる。


すこし肌寒くなってきたら、
おうちに 帰ろ。
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